DRAGON FORCE
 






2006.5.16
■DRAGON FORCE/INHUMAN RAMPAGE
イギリスから登場した激走爆走疾走メロディックスピーディーパワーメタル軍団の3rdアルバム。
アルバムを出す毎に+αの成長が若干でも見られるところが物凄く嬉しいところです。
とにかく彼らの基本にあるのは、狂おしいほどのスピード!ツイン編成のギターも、ブラスト入れて突進してくるドラムも、色鮮やかで細かく疾走を加えてくるキーボードも、その速すぎるテンポのメロディに乗せて歌う早口ヴォーカルも、ホント、スピードを意識し追求したあげくの究極を見出したかのような印象を受けます。
でも、ただスピーディーなだけではなく、見事に構築された心地よく悶絶してしまう突き抜けるような展開や、プログレ風味なフックを絡ませてアプローチしてくる楽曲の流れなどが、彼らの音楽性を更に充実し成長させ、速さへの演出も相まって、緩急つけて色んな角度から攻めてきているのが、このアルバムの特徴だと思っています。しかも、その作用が、より深みのあるドラマチックさを生み、突っ走る爽快な疾走も、より際立たせられている姿が今の彼らの勢いと強さと巧さだと思っています。
尺は長めではあるのに、それさえも感じさせないしっかりとした様々な聴かせどころを細かくふんだんに取り入れているのが、基本は爆裂スピードであるにも関わらず、魅了されてしまう彼らの強みでもありますね。それほどの魅力が詰まっているんだと思います。
元気になるような勢いという突っ走り感も健在です!キャッチーでありながらサビにきたときの爽快感や、ノリノリに突っ込んでくる脅威的にも思えてくる空間を埋めてくる音には、彼らにしか出せない個性的な凄味が備わっており、聴いてると、こちらが楽しく笑えてしまうようなポジティヴな気持ちにさせられる要素があるバンドだとも思います。彼らが発しているエネルギーは天下逸品レベルであるのは確かです。
唯一、勿体無い部分を上げてしまうならば…速いテンポで繰り出されるメロディに乗せて歌うボーカルが…速さゆえに同じように、どれも似たような印象を彷彿とさせてしまうところが、残念かな…。もっともっと他の曲と差別化をさせて、バンドの個性とともに、それ以上に楽曲の個性を打ち出していかないと、今後は厳しいかもしれないですね…。
これは「スピード」に拘っている彼らならではの楽曲に対する良い所でもあり悪い所でもあると思います。僕は、更なる彼らの成長が楽しみで堪りませんなのですけどね…!
1曲目の「Through the Fire and Flames」は、彼らを代表するかのような名曲であると思います!緊迫感、緊張感、伸びやかさ、勢い、ブランク、盛り上げ方、サビでの爽快さ、一気に聴かせてくる爆発力、キャッチーさ、何回聴いても気持ちが高揚させられてしまいます!

2曲目の「Revolution Deathsquad」は、個人的には大好きな曲であります。
少々哀愁に満ちながらも力強く疾走してくれているのが僕が惹かれているポイントなのかも…。コーラスも決まりに決まっていてカッコいいし、怒涛のような速さもありつつ展開の構築にしても一切無駄がなく、壮大でいて勇壮、燃え尽きるように熱くなりながらもしなやかに繰り出される音の連打に光るセンスを感じてしまいますし、時折デス声も混じっています。

3曲目は「Storming The Burning Fields」。とにかく激しい印象をうける曲ですね。
キーボードがキラキラ輝いています。キャッチー&フックのある楽曲はなかなかの好印象を与えてくれます。サビになると物凄く伸びやかでいて強烈な好感もてる流れゆくようなインパクトを残してくれる佳曲です!これもデス声によるバックで聴こえるコーラスがところどころで見え隠れしています。あと、重々しいゆったりしたパートや怪しいような展開、ドロドロとした狂気みたいな雰囲気も醸し出しながら、味を付けながら…絶えず疾走に徹している姿が素晴らしいです。

4曲目の「Operation Ground and Pound」は、爽やか疾走している楽曲。
スピードのテンポの変化があまり感じれない曲であると思うので、勢いを殺さずに突き通す感が、楽曲的にちょっと印象が薄味になりそうな気もしないではないですが、これもまた後ろでデス声コーラスが炸裂しております!速いにも関わらず引っ掛けてくるフレーズや「オーオー」言うメロディラインもあって、ドラマチックではない曲ではありますが、最後までハイテンションのまま聴かせてきています。

5曲目は「Body Breakdown」。展開的に心に響かせてくるスローな部分をうまく演出していたり、爆裂サウンドの中にも叙情的なメロディを浸透させて埋め込んでいたりと、力強くも他の曲とは趣やアレンジが異なる、しっかり響かせてくる楽曲として、聴かせてきているのが、とても素晴らしいですし、印象深い曲となっています。

6曲目の「Cry For Eternity」。ここでの爆裂疾走具合は、また凄いものがあります。掻き毟らんとばかりに音を吐き出すギターや、存在をバリバリにアピールしている早や引きキーボードも凄まじいものを感じます。

7曲目は「The Flame of Youth」。狂気さは一切なく、ギターによる流れるようなフレーズの数々を惜しみなく披露しています。
キラキラピロピロ爽快になだらかなパワーを撒き散らしながら疾走しています。

8曲目はバラードである「Trail of Broken Hearts」。キーボードによる音色が鮮やかにしなやかに展開されていきます。ギターも雰囲気を壊さずに、楽曲の1部として細かい演出をしています。静かなる情熱に、ちょっと感動すらきてしまいそうです。



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